問題 1. _の言葉の読み方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

1. チームの新しい監督が決まった。

1. かんどく

2. がんどく

3. かんとく

4. がんとく

2. これは、外国語から派生した言葉です。

1. はしょう

2. はせい

3. はっしょう

4. はっせい

3. 文字が透けている。

1. ぼけて

2. かけて

3. ぬけて

4. すけて

4. この村は湖の恩恵を受けている。

1. おんけい

2. おんえい

3. いんけい

4. いんえい

5. 厳しい練習に臨む選手たちの姿を目にした。

1. いどむ

2. はげむ

3. なやむ

4. のぞむ

6. 調査データは、地球の温暖化を如実に示した。

1. じょじつに

2. じょうじつに

3. にょじつに

4. にょうじつに

問題 2.( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

7. 被害者について報道するときは、仮名を用いてプライバシーを( )している。

1. 保護

2. 防御

3. 警備

4. 支援

8. この模型は、実際にあった建物を20分の1の大きさで( )再現した物だ。

1. 従順に

2. 厳正に

3. 忠実に

4. 均等に

9. 川の水が澄んでいてきれいだったので、両手で( )、顔を洗った。

1. めくって

2. すくって

3. はさんで

4. つまんで

10. 一生懸命働いて、ついに( )のマイホームを手に入れた。

1. | 志望

2. 本意

3. 欲求

4. 念願

11. きれいな写真を撮るためには、まずカメラの( )を合わせることが大切です。

1. ポーズ

2. カーソル

3. ピント

4. テンポ

12. 全国大会は初出場だったが、厳しい試合を勝ち抜いて何とか上位に( )。

1. 乗り込んだ

2. 食い込んだ

3. 駆け込んだ

4. 追い込んだ

13. 道案内をしてくれたので、( )地元の人かと思ったら、実は観光客だった。

1. てっきり

2. きっぱり

3. しっかり

4. はっきり

問題 3. __の言葉に意味が最も近いものを、い2・3・4から一つ選びなさい。

14. 必要な資金を調達した。

1. 払った

2. 預かった

3. 返却した

4. 用意した

15. 山田さんは温和な性格だ。

1. さわやかな

2. おだやか

3. こまやか

4. かろやか

16. おすすめのスポットを教えてください。

1. 場所

2. 商品

3. 方法

4. 時期

17. 各国のチームの実力は拮抗している。

1. 差がある

2. 差がない

3. 高くなっている

4. 低くなっている

18. 住民からの風当たりが相当なものだった。

1. 要求

2. 信頼

3. 期待

4. 批判

19. カメラは子供たちのあどけない表情を捉えていた。

1. 不安そうな

2. 真剣な

3. 無邪気な

4. 羨ましそうな

問題 4. 次の言葉の使い方として最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

20. 出荷

1. 有名俳優の出荷によって、公演のチケットはすぐに完売した。

2. 海外の需要が高まり、アメリカに新店舗の出荷が決定した。

3. 好評により注文が殺到していて、商品の出荷が遅れている。

4. 今回の展覧会では、絵画の出荷が大半を占めた。

21. 譲る

1. 私は早朝起きて、新聞を名家庭に譲る仕事をしている。

2. 学校の倉庫の鍵を職員室に譲るのをすっかり忘れていた。

3. 新しいテレビを買ったので、古いテレビを友人に譲った

4. 今朝、自宅近くの公園で拾った財布を交番に譲った

22. 底力

1. 毎日体を運動しているので、腕の底力なら誰にも負けない。

2. 彼は目立たない存在だが、大事な場面での底力はすごい。

3. 石原さんは、動物の言葉が分かる特別な底力を持っている。

4. 留学して、英語を話す底力を伸ばしたいと思っている。

23. 絶大

1. 絶大な開発によって、町の風景がすっかり変わった。

2. 世界を旅して絶大な山の姿を写真に収めた。

3. これまで誰も釣ったことがないような絶大な魚を釣りたい。

4. あの歌手は若い人たちに絶大な人気がある。

24. 手痛い

1. 仕事で手痛いミスをして、周りに迷惑をかけた。

2. 来週までは、手痛い運動をなるべく避けてください。

3. 秋が終わって、とうとう手痛い冬がやってきた。

4. 口川さんはほかの人より手痛いスピードで作業した。

25. 誘致

1. 駐車場で、係員が車を何台も誘致している。

2. 議会は町の経済を活性化させるために、工場を誘致することを決めた。

3. 人材が不足しているため、今年は100人以上の新入社員を誘致した。

4. あの学校は新しい教授法を誘致したことで、人々の関心を集めている。

問題 5. 次の文の( )に入れるのに最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

26. このレストランのシェフはまだ20代だが、著名な料理評論家( )満足させる腕の持ち主であると、テレビや雑誌で評判になっている

1. をも

2. とを

3. にまで

4. までが

27. はっきりと覚えていないが、この町には( )来たことがある。

1. また

2. ついに

3. いつか

4. まもなく

28. (ホームページで) 体育館は老朽化のため、本年3月15日( )閉館しました。長年のご利用、ありがとうございました。

1. につき

2. に至るまで

3. をもって

4. を皮切りに

29. 高校に入学して、特に入りたいクラブもなかったので、友人に( )、テニス部に入った。

1. 誘われるまま

2. 誘われようが

3. 誘われた上に

4. 誘われない限り

30. (ホームページで) 当店では、商品に欠陥がある( )、返品及び交換はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

1. 点に加えて

2. 点を除いて

3. 場合に加えて

4. 場合を除いて

31. (取引先へのメールで) 来週の打ち合わせの資料をお送りします。お忙しいとは( )が、ご確認いただければ幸いです。

1. いたします

2. 存じます

3. いらっしゃいます

4. 申し上げます

32. 学生時代はずっとサッカーをしていたのだが、社会人に( )、運動する機会がすっかり減っしてしまった。

1. なってからであっても

2. なったばかりなのか

3. なってからというもの

4. なったばかりだとして

33. 自転車の鍵が見当たらないと思ったら、昨日はいていたズボンのポケットに( )。

1. 入れたつもり

2. 入れっぱなしだった

3. 入れっこなかった

4. 入れるべきではなかった

34. A「ねえねえ、北市にできた動物園、いったんでしょう? あそこ、相当広いらしいね」 B「( )、1日じゃ全部回れなかったよ」

1. 広くないはずなんだよ

2. 広いなんてことはないよ

3. 広くないわけじゃないんだよ

4. 広いなんてもんじゃないよ

35. 私は昔からバイクが大好きだ。小さい頃は、よく父のバイクの後ろに( )。

1. 乗りたがったものだ

2. 乗りたがったところだ

3. 乗って欲しがったものだ

4. 乗って欲しがったところだ

問題 6. 次の文の、_★_に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

36. 秋の初めてのこの時期は、真夏の戻った ___ _★_ ___ ___、気温の差が大きくて体調を崩しやすいので、注意が必要だ。

1. 日もあり

2. 日もあれば

3. ひんやりとした

4. かのような

37. 歴史的価値が高いとされる旧白本小学校の校舎を始めて見たが、とても ___ ___ _★_ ___ 驚いた。

1. 100年前に

2. 現代的なデザインに

3. 建てられたものとは

4. 思えないほどの

38. くしゃみや鼻水といった症状が現れる花粉症は、風邪と___ ___ _★_ ___

1. 自覚がない

2. 自分は花粉症だという

3. 症状が似ている

4. こともあって

39. 高校卒業後の進路について両親に反対されたが、誰に何と___ ___ _★_ ___ 思う。

1. 思える道を

2. 信じて進みたいと

3. 言われようとも

4. 自分がこれだと

40. 企業の海外進出が成功するかどうかは、___ ___ _★_ ___ といってもいいだろう。

1. 優秀な人材を確保できる

2. にかかっている

3. か否か

4. その国の事情をよく知る

問題 7. 次の文章を読んで、文章全体の内容を考えて、41 から 44 の中に入る最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

以下は、新聞のコラムである。 プリプリ海老 昔に比べてレストランのメニューに修飾語が増えたと感じる。「プリプリ海老の00パスタ」「とろ~りチーズ入りのハンバーグ」「XX 県産のやわらか若鶏の△△」といった感じだ。付加価値や希少価値をアピールして、商品の差別化を図りたいのだろう。 これらの修飾語は【41】食欲を刺激し期待感を高める。でもよくよく考えると、差別化の中身は実にあいまいだ。プリプリ海老の定義は?チーズはみな、とろ~りするのでは?XX県産が品質保証になるのか? 実質的な中身を伴った新商品の開発が困難になっていく高度消費社会では、見せかけの新しさで消費を刺激しようとする傾向が強まる。商品のパッケージを新しくしたり、商品名の変更が頻繁に行われたりするのも【42】消費社会とは、商品の差別化戦略によって中身の空虚な(注1)ネーミング(注2)が氾濫し、消費者がそれに踊らされる世界ではないのか。そのような社会は、私たちの言語感覚【43】変えてしまう可能性がある。商品の差別化競争に終わりがないなら、修飾語こそが肝要になる。つまり、修飾語を伴った呼称がデフォルト(注3)となり、裸の名詞が空虚に感じられるようになるかもしれない。 何十年かすれば、生物としての海老という記号は空洞化して、おいしそうな食材としての修飾語が不可欠な要素となり、「海老」は「プリプリ海老」、「海老のチリソース」は「プリプリ海老のチリソース」と呼ばれているのだろうか。 私たちは、増殖する見せかけの新しさに囲まれながら、空虚な記号と戯れ続ける(注4)しかないのか?メニューに並ぶ修飾語は、消費社会の遠い未来からの【44】。 (注1)空虚な:実質的な意味がない (注2)ネーミング: 名前を付けること (注3)デフォルト: 標準 (注4)戯れ続ける:ここでは、付き合い続ける

41. 【41】

1. むしろ

2. かえって

3. たしかに

4. ようやく

42. 【42】

1. それ以来だ

2. それだけだ

3. そのままだ

4. そのためだ

43. 【43】

1.

2. すら

3. なら

4. でもって

44. 【44】

1. 使者のようでもある

2. 使者とのことである

3. 使者だとは言えない

4. 使者にもなり得まい

問題 8. 次の(1) から(4) の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

(1) 「嫌い」はネガティブな(注)感情で、まさに嫌悪感をもってしまいがちですが、自分の中に芽生えてきた大切な感情であり、大事な機能でもあります、何より根絶できません。 「嫌い」はとてもパワーを必要とする感情ですから、それだけに反動も大きい。振り回されないための第一歩は、嫌いを認めることです。ネガティブな感情でも、もつことは自然なことであり、生きる上でメリットになる、そして周囲の人にもメリットがあると捉えてみてください。 (注)ネガティブな:否定的

45. 「嫌い」の感情について、筆者の考えに合うのはどれか。

1. 否定的で強い感情であり、振り回されてもしかたがない。

2. なくせない感情であり、受け入れたほうがいい。

3. 認めることで、その感情を抑えることができる。

4. 理由を考えれば、振り回されることはない。

(2) 安く売るべきか、品質にこだわるべきか。事はそんなに単純ではない。どんなに良い商品であったとしても、できるだけ価格を抑えるための努力は必要だ。品質にこだわる戦略というのは、品質さえ良ければどんなに高くても買ってもらえるという短絡的な戦略ではない。 できるだけ価格を抑える努力はしているけれども、それでも品質にこだわるとこれ以上は安くできない。他社の商品よりも高いのだけれども、それだけの価値はある。だからその差額を許容してほしい。そう訴えることが、品質にこだわった正しい戦略である。

46. 品質にこだわる戦略とは、どういうことか。

1. 品質に見合った価格であると主張する。

2. 品質の良さと価格の低さを主張する。

3. 価格に合わせた品質であると主張する。

4. 価格よりも、品質の良さを主張する。

(3) 時には、自らに「素朴な質問」を投げかけてみてはどうだろうか。子どもが親に尋ねるような「素朴な質問」というものは、意外にも人生や生きることの本質にかかわることであり、人生論や哲学の課題であることが少なくない。そうした質間を真正面から投げかけられたとき、はっと何か気づかされるところがあって、自分の日常を反省するような反応を示さないとしたら、その人の感性は相当に(注)枯れていると考えたほうがよい。 (注)相当に:かなり

47. 筆者が言いたいことは何か。

1. 素朴な質問に向き合って、日常を省みることが必要だ。

2. 親が子どもから人生の本当の意味を教わることもある。

3. 大人になると、子どもが尋ねるような質問をすることは難しい。

4. 感性を磨くには、子どもが投げかけた素朴な質問に答えるとよい。

(4) 科学とは、知れば知るほどわからないことが増えてくるものである。自分は何も知らなかったと思い知らされるのが科学者の日常と言える。つまり、科学者は研究を極めれば極めるほど謙虚になる。自分の無知さを知って謙虚にならざるを得ないのだ。その観点から言えば、知ったかぶりをする(注)科学者はもはや研究をストップしており、それまでに得た知護を誇っているに過ぎないと言うことができる。もはや過去の人であり、その知識は時代遅れになっている可能性が高いのだ。 (注)知ったかぶりをする:知っているふりをする

48. 筆者の考えに合うのはどれか

1. 科学者は時代に合った知識を持つべきだ。

2. 科学者は研究を続けることでより謙虚になるものだ。

3. 謙虚であれば、よい科学者として認められるものだ。

4. どんな科学者であっても、自分の無知を自覚しているものだ。

問題 9 次の(1) から(4) の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

(1) ともすると私たち大人は、自分たちの子ども時代の遊びはよくて、今の子どもの遊びは好ましくないと考えがちです。 (中略) 今はダメで昔はよかったというような感覚をもって、今の子どもの遊びについて考えると、とんでもないことになります。子どもたちが嬉々として(注)遊んでいるものを取り上げて、今の時代ではおもしろくないような遊びを、無理に押しつけることになってしまいます。そうなると遊びが遊びでなくなってしまいかねません。 また、私たちが考える好ましい遊び環境となると、なぜかとても整理された空間になりがちです。たとえば画一化された公園を見ると、ムダーつなく機能を重視したオフィスを連想させさえします。限られたスペースで、しかも安全性や管理の問題を考えればそうならざるをえないのかもしれませんが、それでは子どもが遊びたいと思わなくなるのです。 子どもたちの遊び空間には、もしかしたら不自由さや不便さ、大人がムダだと思えるようなものも必要かもしれません。配慮の行き届きすぎた場所は、遊園地という商業施設は別として、子どもたちが自由に遊べる環境としては好ましくないのではないでしょうか。 子どもたちの遊び環境について考えるときに大切なのは、私たち大人の側にあるそのような先入観です。自分は子どものころにこんな遊びをした。今の子どもはそれをしていない。だから今の子どもは遊んでいない。こんな単純な考え方では、決して子どものためになる遊び環境など考えることはできません。 (注)嬉々として:喜んで

49. とんでもないことになりますとあるが、どうなるのか

1. 子どもが子ども同士で遊べなくなる。

2. 子どもが自由に遊びを楽しめなくなる。

3. 子どもが今の時代の遊びに興味をもたなくなる。

4. 子どもが安全に管理された場所でしか遊べなくなる。

50. 筆者が言いたいことは何か

1. 大人は子どもの遊びに干渉するべきではない。

2. 大人は安全性を考えて、遊び環境を整えなければならない。

3. 大人は先入観をもたずに、子どもの遊び環境を考えるべきだ。

4. 大人の先入観が遊び環境を考えるうえで役に立つこともある。

(2) 私たち人間は、いろいろなものを食べる雑食性動物です。それに対し、基本的にパンダはササだけを食べ、コアラ(注1)はユーカリの葉だけを食べます。動物の生き残り戦略を考えると、雑食性動物の方が、慣れ親しんだ食べものが入手困難な状況になったとしても、それ以外の食べられるものへと嗜好をシフトすることによって飢餓を脱し、生存する確率を高めることができます。雑食性動物は環境適応性に優れた生きものといえます。 しかしその一方で、新たに見つけ出した食べものが毒性をもっていたり、栄養バランスが悪いものであれば、健康を損ね、最悪死に至る可能性があります。そのため、雑食性動物は、新しい食べものを食べるときには、必ずそのリスクと対峙(注2)しなければなりません。 すなわち雑食性動物は、食べたことのないものを食べるのを躊躇する「食物新奇性恐怖」と、積極的に食べようとする「食物新奇性嗜好」という相矛盾(注3)する行動傾向を、生まれながらに合わせもっているといえます。 (中略) 雑食性動物がもつ食べものの新奇性恐布と新奇性嗜好のジレンマを解消してきたもののひとつが、人の「調理」という行為です。食べたことのない食材、たとえば昆虫をそのままの"原型"で出されると、拒否感を抱く人が多いですが、粉にしてチップスなど、見慣れたお菓子のかたちで提供されれば、食べる人は確実に増えます。さらに慣れ親しんだ調味料で味付けしたものなどであれば、「あっ、意外とおいしい」と好評価を得るかもしれません。この調理という操作が、新奇なものを食べるという恐怖を緩和させるのに一役(注4)買っています。 (注1)コアラ:動物の一種 (注2)対峙する:ここでは、向き合う (注3)相~:互いに~ (注4)一役買う:ここでは、役立つ

51. 筆者によると、雑食性動物の特徴は何か。

1. 慣れ親しんだものを食べたいという気持ちよりも、新しい食べものへの好奇心の方が強い。

2. 新しい食べものに対して、恐怖心をもちながらも、挑戦する性質をもっている。

3. いろいろなものを食べるので、栄養バランスが偏らず、生存する確率が高い。

4. 目の前に食べものがあれば、躊躇せずに積極的に食べようとする。

52. 筆者によると、調理することでどうなるか。

1. 食材が限られていても、人間の欲求を満たすことができる。

2. 新しい食材への好奇心は薄れるが、恐怖は解消できる。

3. 慣れ親しんでいないものへの好奇心を高めることができる。

4. 食べたことのないものへの抵抗感を減らすことができる。

(3) 私は、自分の研究をおもしろいと思えるのと同じ程度に、他人の研究をおもしろいと思えるかどうかが、研究者に向いているか否かの判断の基準であると思っている。いくらいいデータを出す人であっても、他人のデータを自分の仕事と同じだけの熱量を持っておもしろがれなければ、研究者としてははっきり不向きであると思わざるを得ない。学者としては失格であろう。 これがもっとも端的にあらわれるのが、研究発表の際に見られる質問の量である。 (中略) 発表された内容を、当事者として自分ならこういうアイデアで実験をし、結果をこう解釈することもできある、明確な結論を得るためにはこの部分に不備があり、次にはこんな実験を計画すれば、もっとはっきりした結論に到達することができるのではないか、などなど、考え始めれば、おのずから尋ねたいことは次から次へ出てくるはずなのである。 私はこれを「能動的に聞く」と言っている。人の話は、能動的に聞いてこそ、自らの身につくものである。話された内容をただひたすら覚えようとしたり、吸収しようとしているだけでは、却ってその知識は自分のものとならない。 「能動的に聞く」とは、話された内容を、自らのこれまでの知の体系のなかに位置づけることであり、位置づけるためには、聞きつつ常に自分の知の体系を確認し、照合する作業を伴うはずである。外部からインプットされてくる内容と、既存の自らの知識の箱とのあいだに軋礫が生じるのは当然であり、その軋礫こそが質間を促す力になる筈なのだ。

53. 筆者によると、研究者として不向きな人とはどのような人か。

1. 他人の研究に、自分の研究ほどの関心を持てない人。

2. 他人よりいいデータを出すことができない人。

3. 自分の研究も他人の研究もおもしろがれない人。

4. 自分の研究に、他人の研究成果を生かせない人。

54. 筆者によると、どのようにすれば質間の量が増えるか

1. 既存の知識に聞いた内容を加えて、知の体系を豊かにする。

2. 聞いた内容と自分の知の体系を照合し、違いを意識する。

3. 新しい知の体系のなかに、既存の自分の知識を組み込む。

4. 自分の既存の知識に、常に疑開を持つ。

(4) 企業Aと企業Bがあり、ある契約をそのどちらと取り交わすべきか考えるときに、A社は資本金1000万円、B社は資本金1億円であるという情報は、おそらく重要な情報の一つであると想定されるが、すべてではない。従業員数、年商(注)、営業継続年数、支社数・支店数、などなどのうちから、意思決定者が意思決定の方針に基づいて重要な情報を取捨選択しなければならないだろう。 そのとき、ことさらにいくつかの情報に力点を置く報告書があげられたときに、意思決定者経営者はそこに存在する「意図」を充分に嗅ぎ取らなくてはならない。つまり、汚染されている可能性があるということである。ここで、報告された情報がすべて確実な事実であったとしても汚染は生じている可能性があるという点に注意が必要である。 したがって、情報汚染とは、ある情報に、本来想定しているもの以外の何かが付随していて、それによってその情報の理解が歪むことをいう。その何かとは、その情報をもたらした側の意図である。この世界に「データのみで構成されていて、そこに意図の混入が認められない」という意味での無色透明な情報など存在しない。どのような情報であっても、意図という色で染められている。そして、重要なのはそれが必ずしも汚染ではないという点である。意図が混入するのは当然のことであり、すべての情報には意図が混入しているのであるから、それだけでもってそれを汚染とまでは呼べない。それが汚染となるのは、その情報に含まれる「意図」によって、その情報の本質部分である「データ」の理解が歪められるからである。 (注)年商:一年間の売り上げ額

55. 「意図」を充分に嗅ぎ取らなくてはならないとあるが、なぜか。

1. 事実ではない情報が意図的に混入されているかもしれないから。

2. 意思決定者に有利な情報が取り除かれているかもしれないから。

3. 情報には意図が含まれていて、理解が歪められるかもしれないから。

4. 情報をもたらす側の意図が、歪められて理解されるかもしれないから。

56. 情報の汚染について、筆者はどのように述べているか。

1. 情報が汚染されているかどうかを見抜くことは難しい。

2. 情報が汚染されていても、受け取る側の理解に影響はない。

3. 情報に意図が含まれていても、汚染されているとは限らない。

4. すべての情報には意図が含まれているので、汚染されているといえる。

問題 10. 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。

以下は、森林を守るボランティア活動をしている人が書いた文章である。 世界的に森林や自然の維持、復元に対する関心が高まってきたとき、この気運(注1)を支えた初期の理論は、人間中心主義的な森林・自然維持論、つまり人間の生存や未来にとって森林や自然の維持は不可欠であるという理論であった。いわばそれは、人間のための森林・自然維持論であった。ところが、この考え方は、たちまち暗礁に乗り上げる(注2)。 第一に、人間のための森林・自然維持論であるかぎり、人間のための森林・自然の開発論を否定できなくなる。なぜなら、どちらも「人間のための」という共通の基盤の上にたっている以上、その違いは価値観の違いにすぎず、人間の価値観を統一することなどできないばかりでなく、すべきでもないからである。 第二に、「人間のための」といっても、その内容はさまざまである。農山村に暮らす人びとと都市の市民とでは、その感じ方は同じではないし、たとえば同じ山村に暮らす者でも、林業経営をしている者とそうでない者とでは、考え方が異なってくる。人と森の関係は多様である以上、どうすることが人間のための森林自然の維持なのかと問われれば、その答えはさまざまである。 第三に、「人間のための」という発想にたつかぎり、「人間のためにならない」自然は破壊してもよいということになりかねない。 こうした問題点があったために、「人間のための」論は、つまり人間中心的な森林・自然維持論は、たちまち破綻してしまった。自然保護思想の流れをみるなら、それに代わって生まれた理論は、自然中心主義的な考え方であった。それは、人間のためになろうとも、ならなかったとしても、自然はそれ自身のうちに生存権をもっており、その生存権は保障されなければならないというものであった。 ところが、この考え方にも問題点があった。なぜならこの理論では、原生林や原生的な自然を維持する理論としては有効でも、たとえば日本のような、長い歴史のなかで自然と人間とが相互に影響を与えながら、それぞれが暮らしてきた地域の森林・自然の問題をよく説明できないからである。 一例をあげれば、かつて農山村の人びとは、自分たちの暮らしを守るために、人家の近くに里山天然林をつくりだした。それは、徹底的に人間の手を加えた天然林である。 (中略) 森林ボランティアとは、自発的に森の中で仕事をする人びとである。そうである以上、私たちは、人間中心主義的な立場にたっことも、自然中心的な立場にたつこともできない。 とすれば、どうすればよいのだろうか。この問いに対して、私たちは、森林・自然と人間の関係を持続的に維持していくことこそが重要だと考える。単純に人間の未来を守ることでも、森を守ることでもない。森林と人間の関係を維持することによって、森と人とが相互的な依存関係をもっている日本の森と人の営みを守っていくことである。 (注1)気運:ここでは、意識の高まり (注2)暗礁に乗り上げる:ここでは、進められなくなる

57. 「人間のための論」の問題点として、筆者の考えに合うのはどれか。

1. 人間のための森林・自然の維持に、結びついていないこと。

2. 人間がいなければ、森林自然は維持できないと考えていること。

3. 農山村に暮らす人間の考え方が優先されすぎていること。

4. 森林・自然の維持に対する考え方は、立場によって異なること。

58. 筆者によると、日本に関して、自然中心主義的な考え方が問題なのはなぜか。

1. 人間の介入によって、維持されてきた森林・自然もあるから。

2. 人間が手を加えずに、原生林や原生的な自然を維持するのは難しいから。

3. 自然の維持よりも人間の暮らしを守ることが優先されているから。

4. 自然の生存権を保障することについて、人間の理解が得られないから。

59. 筆者によると、森林ボランティアの役割とは何か。

1. 人間を中心として、森林・ 自然との関係を維持していくこと。

2. 人間の営みを制限して、森林・自然との新たな関係を見付け出すこと。

3. 森林・自然と人間が共存できる関係を維持していくこと。

4. 森林・自然が持続できるように、できるだけ自然に任せること。

問題 11. 次のAとBの意見文を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。

(A) 勉強やスポーツなど何かに取り組んでいる時にスランプはつきもの(注)だ。いつもどおりしているのに、全く成果が上がらない。そんな時間が続くと、自分には能力が足りないのではないか、これ以上は上達しないのではないかと自信を失ってしまう。 しかし、スランプとは一時的に調子が悪くなっている状態にすぎない。誰にでも調子の良い時と悪い時があり、それは波のようにやってくる。悪い時にはそれを乗り越えようともがくのではなく、波に身を任せるようにするといい。現状をすなおに受け止め、これまでと同じことをやり続けるのだ。そうして自然に波を乗り越えれば、またやる気も自信も戻ってくる。そうすれば、自然に次にやるべきことも見えてくるものだ。 (B) スランプの状態になると、調子が良かった過去と比べてしまいます。だから、その差にショックを受けてしまって、自信を無くしてしまうわけですね。調子の波があることは普通なので、良い時と比べるのは止めましょう。 それよりも、今に集中することの方が大切です。今の自分を受け入れて、「これからどうするべきか」ということを考えてください。こういう考え方ができれば、前向きに物事を捉えることができるはずです。 いつまでも過去に捉われている人は、後悔や焦りといった感情しか出てきません。しかし、今を見ている人だと、「どうすればいいか」という生産的な考え方ができるわけですね。 (注)つきもの:当然あるもの

60. スランプの時に落ち込んでしまう原因について、AとBはどのように述べているか。

1. AもBも成果が上がらない原因を考えすぎてしまうからだと述べている。

2. AもBも、過去の状態と比較して、焦ってしまうからだと述べている。

3. Aは何が悪いのかが分からないからだと述べ、Bは調子が良い人と比較してしまうからだと述べている。

4. Aは能力の限界だと思ってしまうからだと述べ、Bは良かった時と比較してしまうからだと述べている。

61. AとBは、スランプの時はどのようにするのがいいと述べているか。

1. AもBも、現状を維持しながら、調子が良くなるのを待てばいいと述べている。

2. AもBも成果を上げるための方法を考えたほうがいいと述べている。

3. Aはやる気や自信を取り戻すまで待ったほうがいいと述べ、Bは今の状態を受け入れて、自然に任せていればいいと述べている。

4. Aは特別なことは何もしなくてもいいと述べ、Bは現状を認めて、今後どうするべきかを考えたほうがいいと述べている。

問題 12. 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。

以下は、十代の若者に向けて書かれた文章である。 だれでも、自分が自分であることを望み、個性的であろうと願っている。そしてその一方では、自分が他のみんなと違った、自分であることを恐れている。 本当は、「個性的」であろうと思って、個性的になれるものでもない。それはたいてい、「個性的」といわれる一つの型に、自分をあてはめていることだったりする。人間にとっては、「個性的であれ」などと言われても、どうしてよいかわからないものであって、「個性的」とよばれる型を持ったほうが楽なのだ。しかしそれは、本当に個性的なわけではない。 それでも、青年期に向けて、個性的であろうと試みることは、よいことだ。かりにそれが、一つの型にすぎなくても、あるいは、個性的であろうとして挫折しり、「個生的であることから逃避することも含めて、自分にとって個性とはと、考えるのはよいことだ。それは、自分が自分であることの、あかしでもある。 そこでは、ときに悩むことがあったり、どうしたら個性的な人間になれるかと、模索することもあるかもしれない。それはじつは、「個性的」であること以上に、自分というものを意識していく、一つの過程である。そうした意味では、「個性的」であるかどうかなんて、本当はたいしたことではなくて、自分というものが確立していくことが、大事なこととも言える。 そしてじつは、個性というものは、人間のひとりひとりに備わったもので、その個性がありのままに出ていることが、本当の意味で個性的である。むしろ、本当の自分が出せないから、没個性的にもなるのだ。 もちろん、人間はまわりの社会を気にするものであって、自分をよそおうことも含めてしか、社会のなかで存在できない。無理につっぱって、自分のよそおいを捨てようとしても、捨てきれるものではない。そうした、社会とのかかわりも含めて、自分というものはある。 たいていの場合、つっぱったり、いじけたりしていては、自分の個性は発揮できない。つっぱるまいとするのが一種のつっぱりだったり、いじけまいとしてそのことにいじけたり、なんてことまで問題にしだすと、ちょっと言葉の遊びみたいになるが、ま、そうしたことまで含めて、気楽に自分であるようにしなくては、本当の意味で個性的にはなれないものだ。 そして、ありのままの自分を出すことへの不安が、「個性的」を一つの型にしたり、あるいはそうした型から逃れる道へ向かわせたりもする。 それでも結局、自分とはありのままの自分しかない。それを自覚したとき、きみは個性的なきみになる。

62. よいことだとあるが、なぜか。

1. 個性的である必要はないと気づくから。

2. 挫折したり悩んだりする経験が個性を作るから。

3. 自分という人間を意識することになるから。

4. 自分にあてはまる個性の型を見付けられるから。

63. 個性について、筆者はどのように考えているか。

1. 自分から社会とかかわることで、意識できるものだ。

2. 他人と比較しなければ、自然に発揮できるものだ。

3. なりたい自分を意識すれば、自然に身につくものだ。

4. 求めて得るものではなく、初めから持っているものだ。

64. 筆者が最も言いたいことは何か。

1. 自分の個性を模索すべきだ。

2. 自分自身でいることが大事だ。

3. ありのままの自分を出せなくてもいい。

4. 型に縛られない生き方をしたほうがいい。

問題 13. 右のページは、ある大学の研究活動助成の案内である。下の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。

星川大学
2022年度「グローバル研究活動助成」募集要項

1. 応募資格(以下の条件を満たす者)

2022年度に星川大学の大学院に在学していて、2021年度に本助成に採択されていない者

2. 対象となる研究活動(以下の1または2に当てはまる活動)

① 渡航期間10日間以上で、海外において調査を行う。

② 海外での研究会議、シンポジウム等で研究発表を行う(渡航期間は問わない)。

3. 対象となる研究活動の実施期間

①②ともに2022年8月1日から2023年3月31日までに行うもの

4. 助成金額等

一人あたりの助成金額の上限は20万円とします。応募は一人1件のみ可能です。助成対象の費目の詳細は別紙を参照してください。

5. 選考

書類による選考

6. スケジュール

募集期間:2022年5月10日(火)~6月10日(金)

結果通知:2022年7月中旬

7. 応募手続き

以下のA~Cを研究推進課窓口へまとめて提出してください。

A 申請書(様式1)

B 推薦書(様式2)

・・・指導教員が作成したものを学生本人が提出すること。作成依頼は余裕をもってするようにしてください。

C 発表申し込みの写し(②の場合のみ)

・・・申し込みの開始が募集期間後になる場合は、準備ができ次第提出すること。

●AとBの記入用紙は4月26日から募集期間の最終日まで研究推進課窓口で配布します。研究推進課のウェブページからダウンロードもできます。

●②で発表が確定していない場合でも応募することができます。その旨をAに記入のうえ、必ず募集期間内にAとBを提出してください。また、実際に発表するかどうかが決まり次第、速やかに連絡してください。

8. 採択後の注意事項

報告書と経費の領収書を帰国後2週間以内に提出してもらいます。未提出の書類があった場合は採択を取り消す可能性があります。

問い合わせ先:研究推進課 https://www.hoshikawa-u.ac.jp/research.html

電話:061-625-9398 Eメール:graduate-research@hoshikawa.ac.jp

65. 次の4人は、星川大学の大学院に在学中で、以下の研究活動を行いたいと思っている。「グローバル研究活動助成」に応募できるのは誰か。名前研究活動渡航期間この助成の採択歴西田さん海外のシンポジウムで講演を聞く2022年8月24日から3日間なしダリアさん海外に渡航し、資料の収集や調査を行う2023年1月18日から3日間なしラワンさん海外で研究発表を行う2023年2月20日から5日間2020年度にあり山本さん海外に渡航し、調査を行う2022年8月20日から12 日間2021 年度にあり

1. 西田さん。

2. ダリアさん。

3. ラワンさん。

4. 山本さん。

66. 応募に関して、留意しなければならないことは何か。

1. 指導教員から研究推進課窓口に提出してもらわなければならない書類がある。

2. 研究活動が発表か調査かによって、提出しなければならない書類の種類が異なる。

3. 記入用紙は、5月10日までに研究推進課窓口に取りに行かなけれはならない。

4. 研究発表の場合、発表を行うことが確定していないと応募ができない。